仕事でなかなか通院できない場合の対処法 弁護士が徹底解説
交通事故のケガで仕事が忙しく通院できない場合の基本の考え方
交通事故に遭ってケガをした場合、痛みがあっても仕事が忙しくてなかなか病院に行けないという方は多くいらっしゃいます。
しかし、大切な仕事も健康な体があってこそ成り立ちます。
交通事故によるケガは、事故直後は興奮状態で痛みを感じにくくても、数日後に症状が悪化したり、後遺症が残ったりするケースが少なくありません。
自己判断で通院を後回しにすると、適切な治療を受けられないだけでなく、後から損害賠償を請求する際にも大きな不利益を被る可能性があります。
まずは医療機関を受診し、医師に仕事の内容や支障が出ている動作を具体的に伝え、休業や業務制限が必要かどうかを相談することが重要です。
そのうえで、会社に事情を説明し、治療を最優先にできる環境を整えるように努めましょう。
痛みを我慢して通院しないことで生じる4つのデメリット
仕事を優先して通院日数を減らすと、様々な不利益が生じるおそれがあります。
第一に、ケガの症状が悪化したり、回復が遅れて後遺症が残ったりするリスクが高まります。
第二に、通院頻度が低いと、保険会社から「すでに治っている」「治療の必要性がない」と判断され、治療費の支払いを早期に打ち切られる可能性があります。
第三に、交通事故の入通院慰謝料は通院日数や期間を基準に計算されるため、通院日数が少ないと慰謝料の金額が低く見積もられてしまいます。
第四に、万が一後遺症が残った場合、後遺障害等級認定を受けるためには定期的な通院実績と症状の一貫性が重視されるため、通院していない期間があると適切な認定を受けられなくなる恐れがあります。
仕事が忙しくてなかなか通院できない場合の具体的な対処法
どうしても仕事を休むのが難しい場合は、通院しやすい環境を整える工夫が必要です。
例えば、職場の近くや通勤経路にある病院、または夜遅くまで受付をしている病院に転院することを検討しましょう。
転院する際は、トラブルを防ぐために事前に保険会社へ連絡し、現在の主治医に紹介状を作成してもらうことが大切です。
また、病院の受付時間に間に合わない場合は、整形外科などの医師の許可を得たうえで、夜間や土日も開いている整骨院や接骨院を併用する方法もあります。
ただし、整骨院だけに通うのではなく、月に1回以上は必ず病院(整形外科)を受診して医師の診察を受けることが適切な補償を受けるためのポイントです。
治療のために仕事を休んだ場合の「休業損害」による補償
「仕事を休むと収入が減ってしまう」と心配して無理に出勤する方がいますが、交通事故では減収分を補償する制度があります。
交通事故のケガや治療のために仕事を休んだ場合、減少した収入は「休業損害」として加害者の保険会社に請求することができます。
休業損害は、会社員だけでなく、アルバイト、パートタイム、個人事業主、さらには家事を行う専業主婦(主夫)であっても請求することが可能です。
会社員の場合は、勤務先に「休業損害証明書」を作成してもらい、前年度の源泉徴収票などと一緒に保険会社へ提出して手続きを行います。
当月の生活費が心配な場合は、治療が完全に終わるのを待たずに、毎月休業損害を先払いしてもらうよう保険会社に交渉することも可能です。
有給休暇を使って通院した場合でも休業損害は請求できる
通院のために会社を休む際、欠勤ではなく有給休暇を使用する方も多いでしょう。
有給休暇を使えば会社からの給料は減らないため、休業損害は請求できないと思われがちですが、実際には請求可能です。
本来であれば事故以外の自由な目的のために使えたはずの有給休暇を、交通事故の治療のために消費せざるを得なかったことは、法的に損害として認められています。
したがって、有給休暇を使用して通院した場合でも、欠勤した場合と同様に保険会社に対して休業損害を請求することができます。
有給休暇を使うべきか欠勤扱いにするかは被害者の自由ですので、ご自身の状況に合わせて勤務先と相談して決めてください。
交通事故による休業で利用できるその他の補償制度
休業損害以外にも、事故の状況によっては利用できる補償制度があります。
勤務中や通勤中に発生した交通事故であれば、労災保険から「休業補償」を受け取ることができます。
労災保険の休業補償と加害者側からの休業損害は二重取りすることはできませんが、労災保険の休業特別支給金は休業損害と併用して受け取ることが可能です。
また、業務外の交通事故で仕事を休み、給料が支払われない場合は、健康保険の「傷病手当金」を受給できる可能性があります。
保険会社から休業損害の支払いを打ち切られてしまった場合や、示談交渉が長引いている間の当座の生活費として、これらの制度を活用することが有効です。
交通事故の対応や示談交渉は弁護士に任せるのがおすすめ
仕事と治療を両立するだけでも大変な状況の中で、さらに保険会社とのやり取りや示談交渉を行うことは、精神的にも時間的にも大きな負担となります。
保険会社から提示される慰謝料や休業損害の金額は、本来受け取るべき法的な基準(裁判所基準・弁護士基準)よりも低く設定されていることがほとんどです。
交通事故の対応を弁護士に依頼すれば、面倒な交渉や書類の準備をすべて任せることができ、被害者ご自身は仕事と治療に専念できるようになります。
また、弁護士が交渉することで、慰謝料が最も高額な裁判所基準で算定され、示談金の大幅な増額が期待できます。
ご自身やご家族の自動車保険に「弁護士費用特約」が付帯していれば、多くの場合、自己負担なしで弁護士に依頼できますので、まずは弁護士の無料相談を利用してみてください。
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