横須賀でバイク事故に強い弁護士に相談
交通事故の中で、四輪車対四輪車の交通事故では、いわゆるむちうち(頚椎捻挫・腰椎捻挫など)が多く、骨折等を負う方はそこまで多くありません。
これは単純に、四輪車の乗員が金属製フレームやシートベルト、エアバッグに守られているからです。
それに対して、バイク事故では生身の身体がむき出しになっており、衝突や転倒で骨折、頭部外傷等の重大な怪我を負う方が少なくありません。
ここではバイク事故の特徴をご説明したいと思います。
1 バイク事故は重傷になりやすい
それぞれの形から一目瞭然ではありますが、四輪車と二輪車では致死率、重傷率ともに大きな差があります。四輪車と同速度で走行する二輪車は、交通事故発生時の身体に対するダメージが極めて大です。自分もある程度の速度で走行しながら生身の人間が鉄の塊である自動車とぶつかればどうなるか想像は容易だと思います。
2 バイクでの事故と原付での事故
原付乗車中の場合は二輪車と比較して意外に致死率が低くなります。
これは、原付の法定速度が時速30kmに制限されており、事故発生時の速度が比較的低速であることが原因かと思われます。もっとも、重傷を負う比率大きな差はなく、交通事故が発生すれば高確率で骨折以上の大怪我をするといえるでしょう。
3 バイク事故と後遺障害
前述の通り、バイク事故の場合、重度の怪我、すなわち後遺障害が残存することが必然的に多くなります。腕神経叢損傷、いわゆる引き抜き損傷などバイクならではの怪我もあります。
そのため、バイク事故ならではの治療や検査、保険会社との対応が必要となりますので、事故後なるべく早い段階で専門家のアドバイスを受けて、必要な検査や治療を受けることが極めて重要です。
(1)むちうち(頚椎捻挫・腰椎捻挫等)の場合
首の痛み
むちうちの場合には、だいたい後遺障害の14級9号が認定されるかどうかが問題となります。
後遺障害等級を認定する自賠責保険の調査事務所は、「後遺障害を残すほどの傷害を受けるような衝撃があったか」という点を重視する傾向があるため、例えば物損額5万円の追突事故では軽微な衝撃と判断され、後遺障害認定率が低くなっています。
それに対して、バイク事故では転倒等により身体に加わるエネルギーが大きいと判断され、結果として比較的14級9号が認定されやすくなっています(そもそもの14級認定率が低いので、あくまで「比較的」ですが)。
(2)骨折、頭部外傷等の場合
骨折
骨折や頭部外傷などの場合の後遺障害は傷害部位、程度によって
認定される後遺障害が異なります。後遺障害等級の中で数が多いのは骨折後の痛みについて14級9号または12級13号です。
関節部分を骨折し、可動域に制限が出れば角度に応じて12級6号~8級6号(上肢の場合)などが認められます。
また、頭部外傷後に性格変化や認知機能の障害が生じていれば、高次脳機能障害が認定されることがあります。これは脳損傷の画像所見や障害の程度の立証など、どれだけ申請前の準備を充実させたかで、等級認定がなされるか否か、なされたとして何級が認定されるかが大きく変わってきます。
(3) バイク事故の過失割合
判例タイムズ
交通事故の過失割合は、「別冊判例タイムズ38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版(略称:判例タイムズor判タ)」という本を用いて決定することが非常に多いです。これは、過失割合を判断した裁判例を事故類型ごとにまとめたもので、裁判所/保険会社/弁護士のいずれもがまず参照する必需品といえます。
判例タイムズ上のバイク事故過失割合もよると、四輪車対四輪車の交通事故の場合と比べ、バイク対四輪車でバイク側にやや有利に過失割合を設定していることがわかります。
例えば、直進車と対向右折車が青信号で衝突した場合では、
四輪車対四輪車(判タ107図) 直進四輪車20:80対向右折四輪車
二輪車対四輪車(判タ175図) 直進二輪車15:85対向右折四輪車
という過失割合です。
本来、過失割合とは双方にどの程度の注意義務違反があったのか、という点から定まるものですから、同じ事故態様であればバイクと四輪車で過失割合は変わらないとも思えます。
おそらく、バイク事故で生じる怪我と損害額の大きさに鑑み、バイク側に有利な過失割合を設定することで、バイク運転手の怪我の損害を可能な限り多く賠償させようという裁判所の考えに基づいているものと推測されます。
判例タイムズでは、このバイク有利の過失割合が人身事故のときのみ適用され、物損事故の場合は四輪車同士の過失割合が適用されると明記されています。
4 バイク事故で使える保険
弁護士費用特約、人身傷害保険などが付帯されていれば使用可能です。
この2つの保険はバイク事故にかぎらず非常に有用な保険の上、1ヶ月数百円程度の保険料ですので、是非付けたされておいたほうがいいでしょう。
また、所有自動車等にファミリーバイク特約がついていれば、原付に乗車中の事故で賠償責任を負ったときに保険等級を下げることなく保険を利用することが可能です。
5 バイクで交通事故に遭った場合のまとめ
バイク事故ではその怪我や後遺障害は重いものになる傾向があり、これに比例して損害額も高額となっていきます。
安易な過失割合による妥協をしてしまうと後々泣きを見ることとなるので、適切な損害賠償を受けるためには、早い段階で専門家に相談することをお勧めします。
実際に、事故にあったバイクも重要な証拠となりますので、勝手に廃車処分することなどは厳禁であり、きちんと検証することが必要です。
バイクによる交通事故はより高度な専門的知識が必要であり、そのような専門的知識は弁護士の誰もが有しているわけではありません。バイク事故で怪我をされた方は、その賠償額が適正に支払われるべく、事故直後の段階から交通事故に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。当事務所の初回無料法律相談を是非ご利用下さい。
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