相手方保険会社に弁護士が出てきた場合の対処

交通事故の被害に遭い,加害者の保険会社の担当者やりとりをしていたところ,急に相手方保険会社の代理人だとして弁護士から受任通知が送られてきた場合どのように対処すればよいでしょうか。

 

相手方保険会社の代理人として弁護士が出てきたとしても示談交渉を行うことはできます。
以後のやり取りはその弁護士と行うこととなります。

 

注意したいのは、相手方保険会社はすでに訴訟を覚悟している場合が多いため、頑張りすぎてしまうと弁護士から交渉打ち切りを告げられ、債務不存在確認訴訟を提起されるということが想定されます。

 

正直、避けた方が無難といえますので、そうならないように注意されることをおすすめします。

 

交渉窓口が弁護士になったからといって,示談の話ができないということはありません。

 

ただ、普段から仕事をもらっている損保会社の代理人ですので、保険会社のために力を入れて交渉してくることが多く、保険会社担当者よりも融通が利かない交渉となることが多いです。

 

弁護士すべてが訴訟を即座に起こすとは限らないので、諦めることなく交渉はしてくべきですが、弁護士相手ですので自分の希望には法的根拠をつける必要が出てきます。

 

特に理由もなく金額に拘泥すると訴訟移行してしまうこともあるので、注意しましょう。

 

交渉相手が弁護士となると,難しい法律論が書面に記載されていたり,具体的な裁判例の話や,裁判所の基準等の専門的な話をされることがあります。

 

その場合には,素人では言いくるめられてしまう可能性がありますので,こちらも弁護士に相談したほうがいいでしょう。

交通事故の示談交渉で弁護士が出てくる理由

弁護士費用を支払ってでも依頼するほどの理由があるということです。この章では,保険会社が弁護士に交渉を依頼する理由は何でしょうか?

 

いくつかの代表的理由を挙げていきます。

① 損害賠償額が大きくなる場合

交通事故による被害者の被害が大きく,損害賠償額が高額になるような案件です。

 

一つの論点で数百万円、数千万円と金額が変わってきますので早期に弁護士を入れてくることが多いです。

② 事件が長期化した場合

保険会社は、事件ごとにある程度の期限を決め、その期限内でできるだけ早急に損害を賠償したいと考えています。

 

示談交渉があまりにも時間がかかっている案件では弁護士に交渉を依頼することがあります。

③ 保険会社の担当者では話ができないと判断した場合

自分の権利を主張しすぎてしまうと、保険会社が担当者では対応できないとして、弁護士をつけてくることになります。

 

この場合、かなりの確率で訴訟移行すると考えていた方がよいでしょう。

弁護士に依頼するメリット

相手方保険会社が弁護士をつけてきても、ご自身も弁護士をつければ、また交渉を元に戻すことが可能です。

 

本人がクレーマーと考えていても、同業者から適切な提案を受ければ、相手方保険会社の弁護士も示談には前向きな対応をしてくれます。

 

弁護士に依頼するとその他下記のようなメリットがあります。

① 治療機関の確保

弁護士をつけることで、治療費支払いの打ち切りを防ぐ可能性が高まります。

 

最後に支払いを受ける賠償金のうち大部分を占める傷害慰謝料は通院機関を基にして算定されます。早期に打ち切られてしまうと、その後どんなに交渉を頑張っても金額を上げることは難しくなります。

 

また、何より治療期間を確保して、事故前の元気な身体を取り戻して頂く可能性も上がっていきます。

② 賠償金の算定基準

弁護士に依頼することで交通事故賠償金算定基準として一番高額な裁判所の基準にて示談することが可能です。

 

この裁判所の基準は、弁護士に依頼しない限り採用されないのが通常です。

 

その理由は、弁護士が保険会社と交渉して、どうしても落としどころが見つからない場合訴訟提起するという伝家の宝刀があります。当然弁護士ですから訴訟を問題なく遂行できます(最近、必ずしもそうではない弁護士もいますが・・・。)。

 

反対に、弁護士以外の方が、交渉がうまくいかないからといって「それなら裁判するぞ」と言えば、「どうぞ」と言われて終わってしまいます。

 

要は保険会社として、弁護士なしに訴訟をきちんと遂行することは出来ないと考えているのです。

③ 適正な賠償金を獲得できる

上に述べた裁判所の基準に基づいて、全項目について適切な賠償金を算定して、その金額を基に事案ごとに最善の解決金獲得を目指します。

 

ご自身だけで示談交渉した場合、保険会社から出された金額について、すべての項目で法的根拠を明示して反論することはもちろん、その金額が正しいかどうか判断することは困難ではないでしょうか。

 

仮に、ご自身で適切な賠償金を算定できても、保険会社がその金額を認める可能性は低いと言えます。

さいごに

以上相手方保険会社の弁護士が出てきた場合について説明してきました。

 

やはりプロである弁護士と一般の方が対等に交渉・訴訟していくことは困難と言えます。

 

そういった場合はまずご自身もプロである弁護士に話を聞いてみることをおすすめします。

 

是非一度当事務所の初回無料相談をお気軽にご利用ください。

運営者情報

島武広島法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
当サイトでは、交通事故被害にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。
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