飲酒運転の被害者が請求できる慰謝料について  

悲惨な事故が後を絶たない飲酒運転による事故において慰謝料は通常の交通事故と子なるのか、についてここでは述べていきます。

 

飲酒運転は、近年厳罰化されていることはご存じのとおりです。

 

その悪質性は民事での交通事故でも影響を与えます。

 

以下述べていきたいと思います。 

1 慰謝料の増額

飲酒運転による被害を受けた場合、適正とされる慰謝料の金額基準よりも増額される可能性があります。

 

ただし、増額の有無や増額される金額などは事案ごとに異なります。

 

そのあたりはやってみないとわからないというのが正直なところです。

 

裁判をすれば判断をもらえるので増額されたかどうかを確認できますが交渉ではわからないのが実情です。

 

強い憤りを主張して裁判をするのもよいでしょうし、交渉において飲酒運転を強調して通常交渉で減額される慰謝料について裁判所基準の満額を請求し、相手方保険会社が認めるという「交渉のカード」として用いることも多々あります。

2 被害者過失割合の修正

飲酒運転の被害事故にあわれた被害者の過失割合は、修正され、こちらに過失がある場合その過失が減ることが殆どと言えます。

 

というのは、飲酒運転自体が著しい過失や重過失にあたるため、過失割合を修正することが裁判所や交渉において認められていることによります。

 

5から20パーセント修正されるため、ほとんどのケースでこちらの過失はないものと扱われます。

 

以上、飲酒運転による交通事故において、被害者が請求できる慰謝料について述べてきました。

 

被害者の方の憤りは通常の交通事故に比して大きいものであることは当然であり、中には取り返しのつかない甚大な結果を生じさせることもあります。

 

悪質な事案だからこそ適切な賠償金を受け取るべきであり、相手方保険会社の安易な提案に乗らないことが肝要です。

 

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島武広島法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
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