付添看護費について
交通事故においては、事故の被害者本人だけでなく被害者の家族にも大きな負担がかかります。
付き添いや看護が必要な時はその代表例といえます。
ここでは付添看護費について説明していきます。
1 付添看護費の種類
①入院付添費
②通院付添費
③自宅付添費
④通学付添費
⑤将来看護費
が主なものとしてあります。
以下説明していきます。
2 ①入院付添費
入院付添費とは、入院期間中の付き添いに対する補償で、原則として医師の指示がある場合に認められます。
あるいは、医師の指示がなくても、ケガの程度や被害者の年齢など身の回りの状況から、付き添い看護の必要性があると認められた場合に請求できる場合があります。
入院付添費は、自賠責基準で1日当たり4200円とされており、任意保険基準も同額になるケースが多いです。
弁護士基準では近親者が付き添いをした場合1日あたり6500円程度が相場となっています。
病院が完全介護をしていた場合の入院付添費は被害者の状況次第で請求できることがあります。
入院期間のうち約5割の期間について1日あたり8000円の入院付添費を認めた裁判例があります(札幌地方裁判所 事件番号平成20年(ワ)第1782号 平成22年12月3日判決)。
3 ②通院付添費
被害者の年齢や症状から、通院時に付き添いの必要が認められたときには、通院付添費が支払われます。多くは子どもの通院に対して支払われます。概ね小学生以下であれば認められることが一般的です。
通院付添費の相場は、賠責基準で1日当たり2100円とされており、任意保険基準も同額になるケースが多いです。
弁護士基準では1日当たり3300円が相場とされています。
付き添いに伴う通院の交通費も付添費とは別に請求可能です。
4 ③自宅付添費
自宅での療養中、傷害の部位や程度から付き添いの必要性が認められる場合には自宅付添費が認められます。
自宅付添費の相場は、自賠責基準で1日当たり2100円とされており、任意保険基準も同額になるケースが多いです。
弁護士基準での自宅付添費については実は明確な基準がありません。
一般的に、付き添いの程度が見守りや助言で足りる場合には日額3000円程度、常時介護が必要となるような場合には日額6500円以上が相場のようです。
5 ④通学付添費
交通事故によって発生する付添費としては、通学付添費も挙げられます。
通学付添費とは、被害者が子供の場合、通学に際して付き添いが必要と認められるとき、その損害を補償するというものです。
金額の相場は個々の事情によって決まります。
裁判例では通学付添費日額3000円を認めたものがあります(神戸地方裁判所 事件番号平成20年(ワ)第3578号 平成22年7月13日判決)。
6 付き添いの休業損害は認められる?
付添者が仕事を休まざるを得なくなったとき、その給料等はある金額の範囲において補償されます。
ただ、休業による損害と付添費の二重取りはできません。
休業による損害と近親者の付添費とを比較し、どちらか高い方が損害として認められます。
7 職業付添人
職業付添人とは、看護師や介護福祉士の資格を持った専門職の人のことです。
近親者に付き添いできない事情があったり、プロによる付き添いが必要だと判断されたときには、職業付添人に付き添いを依頼できます。職業付添人を利用した場合、付添費は原則としてかかった費用の全額が認められるでしょう。
判例では、脊髄損傷による四肢麻痺等(別表第1の2級1号)の後遺障害を認定された方に,ヘルパーによる付添看護費を含め,日額8000円,合計849万円余を認められました(大阪地判平31.1.30)。
8 ⑤将来介護費
被害者が重度の後遺障害を負った事例では、将来にわたって付き添い介護が必要になるケースもあり、現在から未来に向けて発生する付き添い介護は、将来介護費として補償されます。
将来介護費の弁護士基準での相場は、近親者の場合1日あたり8000円とされています。
介護の状況によって、1日あたり1万円が認められた裁判例もあります。
近親者による介護が不可能だと判断された場合には、介護のプロに依頼することになり、その実費が将来介護費として認められます。
職業付添人の将来介護費は、基本的には実費の全額が認められます。裁判例によると、1日あたり1万円から3万円の認定例が多いです。
以上付添看護費について述べてきました。
実際の事件では、相手保険会社も支払いが高額になるため、争ってくることが多いです。
特に将来介護費はそう簡単に認めようとせず、訴訟をしなくてはならないことも多いです。
いずれにしても、重大な怪我を負わされていることが多いため、簡単に妥協すると泣き寝入りとなってしまいます。
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