交通事故で植物状態となってしまったら
植物状態とは、交通事故により頭部外傷を負い、意識不明で寝たきりになっている状態をいいます。「遷延性意識障害」とも言われます。
ここでは、ご家族がこのような非常に重篤な状態になられた場合の損害賠償請求について説明していきます。
まず必要になる「成年後見人」の選任
被害者が植物状態となると、ご自身の意思表示や判断ができなくなります。
そのため、被害者に代わって損害賠償請求等の法的手続を行う「成年後見人」を選任する必要があります。
成年後見人の選任には、家庭裁判所へ申立てが必要です。交通事故による成年後見事案の場合、保険会社との交渉を伴うため、弁護士が後見人に選任されるケースもあります。
請求できる損害賠償の内訳
植物状態となった場合の損害は、治療を続けても症状の改善が見られなくなった時点である「症状固定」を境に、請求できる項目が異なります。
① 症状固定までの損害
症状固定前の損害としては、主に以下のような項目が請求できます。
- 治療関係費
症状固定となるまでの入院費用、外来通院の治療費などが認められます。 - 入院雑費
入院中の日用品などの費用として、裁判基準で1日1500円が認められます。 - 付添看護費
医師の指示がある場合や、受傷の部位や被害者の年齢などを踏まえて付添いの必要性がある場合に認められます。 - 傷害慰謝料
入通院していることに対して支払われる慰謝料です。 - 休業損害
全く働くことができなくなるため、症状固定日までの休業損害を請求することができます。
② 症状固定後の損害
症状固定後には、将来にわたって発生する損害を請求できます。
- 将来治療費
治療費は症状固定時までしか認められないのが原則ですが、生命維持に必要な場合などには将来治療費も請求できる場合があります。
- 将来介護費用
将来の介護費用は、職業的な看護・介護者の場合は実費全額、近親者付添人は1日につき8,000円が目安となりますが、症状の程度等によって金額は変動します。計算式:1日当たりの金額 × 365日 × 平均余命の年数に対応するライプニッツ係数
- 後遺障害逸失利益
植物状態となった場合には、後遺障害1級に認定されます。したがって、逸失利益については、稼働可能年齢(67歳まで)、労働能力喪失率100%を前提に請求することになります。
- 後遺障害慰謝料
後遺障害1級の後遺障害慰謝料は、裁判基準では2800万円となっていますが、事案に応じて増額されることがあります。
植物状態の示談は絶対に弁護士へ
以上、植物状態について説明してきました。非常に重篤な状態であり、絶対に安易に示談しないでください。
賠償金の金額が非常に高額になるため、弁護士に依頼してしっかりと賠償金を確保し、以後の生活についての不安を払拭すべき案件です。
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