高次脳機能障害で後遺障害に認定されなかった方へ
「高次脳機能障害」は後遺障害等級認定の申請を行なってもなかなか認められません。
その理由は、自賠責保険において形式的な基準が用いられており、その基準を満たさない限り、後遺障害と認められないからです。
高次脳機能障害の症状は発見されにくい上に外見上ではわからないため、第三者から見れば事故が原因であるか否かの判断がつきません。
事故後の治療において、主治医と細やかなコミュニケーションをご家族がとり被害者の変化について報告し診断書に反映してもらうことが大切です。
また、後遺障害を認定してもらうためには
・画像所見(原則CT、MRI。SPECT、PETなどはそれほど重視してくれません)
・意識評価(JCS、GCS)
・神経心理検査(知能テスト、言語機能テスト、記憶検査、遂行機能検査など)
・日常生活状況報告表の質問内容(家族や介護者が答える)
・脳外傷による精神症状等に関する具体的な所見(主治医が記入)
など、必要なものを「すべて」揃える必要があります。
これらのうち不足している検査などがないか検討していきます。
高次脳機能障害は専門的な傷害といえるため、専門医の判断を受けているかどうかも非常に重要です。
また、医師が作成する後遺障害診断書の書き方をよく分かっていない方もいらっしゃいます。というのは、医師の作成する通常の診断書と交通事故後遺障害認定で使用する後遺障害診断書は、形式や内容にも相当な差異があるため、交通事故患者を一定数担当していない医師ではどう書いてよいかわからないことがあるのです。
高次脳機能障害の「後遺障害等級認定」の申請手続きは、被害者のご家族だけで行うことは時間もかかり大変な労力を要することとなるでしょう。
また、後遺障害が認められても適正な等級にならず、賠償金も低額となってしまうこともあります。
したがって、交通事故発生後の治療の早い段階から高次脳機能障害に詳しい弁護士のサポートを受けることをおすすめします。
異議申し立てをしても必ず認められるわけではありません。
まずは、今まで行ってきたすべての情報を専門家に分析してもらい、可能性があるか否かの判断をしてもらうことが解決への第一歩といえるでしょう。
高次脳機能障害とは記憶や思考、知覚、学習などの「認知面」および精神状態(感情面を含む)をつかさどる脳の働きのことを「高次脳機能」といいます。
そして、疾患や損傷によりダメージを負った状態を「高次脳機能障害」といいます。
この中でも、代表的な3つの症状を挙げてみます。
①人格の変化
怪我を契機として衝動的な行動がみられるようになる、怒りっぽくなったなど
②行動障害
複数のことを同時に処理できない、行動を抑制できない、社会生活上マナーやルールを守れないなど
③認知障害
記憶障害、遂行機能障害、集中力障害など
「高次脳機能障害」の診断基準は
①画像所見
「頭部外傷の傷跡」があるケースでは、高次脳機能障害が認定されやすいでしょう。
MRIやCT、脳波の検査などで脳に異常が確認できることが非常に重要です。
②意識評価
交通事故により頭部外傷を負うと「意識障害」を起こすことがあります。
・ジャパン・コーマ・スケール(JCS)
・グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)
の2つの基準で判断していきます。
③神経心理検査
「高次脳機能障害」における、認知障害、注意障害、人格変化、遂行機能障害などを客観的に測定するための検査です。高次脳機能障害専門医の診察を受ければ、必ず実施してくれます。
知能テスト 長谷川式簡易地方スケール改訂版(HDS−R)、MMSE、WAIS−R、コース立方体組み合わせテスト、RCPM(レーヴン色彩マトリックス検査)など
言語機能テスト WAB失語症検査、SLTA(標準失語症検査)など
記憶検査 WMS−R、Benton資格記銘検査、三宅式記銘検査など
遂行機能検査 WCST、FAB、tmt、BADなど
④日常生活状況に関する報告書(家族への質問内容)
被害者である患者本人ではなく、あくまでも被害者のご家族に対する質問です。
⑤脳外傷による神経症状などに関する具体的な所見
主治医が記入するものとなりますので、普段の診察の時から良好なコミュニケーションを取ることがとても重要です。
患者に寄り添い、親身になってくれる主治医に巡り合えればよい結果が期待できるかもしれませんが、記載漏れなく的確な「所見」を書いてもらうようにお願いしておくとよいでしょう。
そのあたりは、高次脳機能障害を熟知する弁護士に手助けしてもらうことが重要です。
以上述べてきましたが、高次脳機能障害は後遺障害認定を受けるためには、適切な検査をして、適切な治療を受け、適切な診断を受けた上で、必要な資料を過不足なく集める必要があります。
また、高次脳機能障害の事案は、むち打ちなどに比べて件数が少ないため、弁護士でも経験のない人もいれば、何件も担当する弁護士もおります。
特に後遺障害等級獲得には、弁護士として実際に担当しているかどうかの経験がものをいいます。
高次脳機能障害でお悩みでしたら是非一度当事務所の初回無料相談をご利用下さい。
異議申し立てに向けてしっかりとしたアドバイスをさせて頂きます。
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