交通事故で子供がむちうちなってしまったときに気を付けること
大切なお子様が交通事故に遭ってしまった場合気が気ではないことかと思います。
ただ、お子様の交通事故を大人と同じものと考えると後悔することになります。
そういった後悔をしないために、ここでは子ども交通事故について説明していきます。
1 子供でもむちうちになることがある
追突事故などの被害に遭った場合、子供でもむちうちになる可能性があります。
幼児や子供は自分の症状を上手く伝えられないことから、子供のむちうちによる症状は大人よりも早期発見が難しいともいえます。
むちうちによる症状は後から出てくることが多いため、たとえ本人が大丈夫だと言っていたとしても、交通事故後はすぐに医療機関を受診して診察と検査を受けましょう。
2 子供のむちうちの症状を把握するために
子供は、年齢によって、自分の症状を上手く説明できなかったり、家族と過ごす時間が少なかったりして、家族であっても体調不良に気づかない場合があります。子供の年齢に応じたポイントを説明していきます。
① 赤ちゃん・幼児の場合
子供も大人も関係なく、むちうちの症状は、事故直後ではなく、数日後から症状が出てくることが少なくありません。
赤ちゃんや幼児(1歳から小学校就学の始期に達するまでの子)は体調が悪くても、言葉で伝えることができませんが、普段と異なる行動によって、SOSサインを送る場合があります。
機嫌が悪くなってぐずぐずと泣く
食欲がない
落ち着きがない
元気がなくだるそうにしている
などいつもと違う様子に気が付いたら、すぐに病院に連れていき診察や検査を受けるようにしましょう。
② 6~12歳の子供の場合
6~12歳の学童期の子供は、自分の体調を伝えられるようにはなるものの、具体的に表現できなかったり、多少痛みがあったとしても無理な運動をしてしまったりする場合もあります。
そのうちにむちうち後の症状が重症化するおそれがあるため、交通事故後の運動はなるべく控えさせるようにしましょう。
子供の様子を注意深く観察して、以下のような普段と違う様子に気が付いたときには、すぐに病院を受診しましょう。
③ 13~18歳程度の子供の場合
13~18歳の思春期・青年期の子供は、自分の言葉で伝えることができます。
とりあえず事故後に病院に行くことを忘れずにしましょう。
3 子供のむちうちの治療・検査
むちうちによる症状の治療法は大人と変わりません。
患部を冷やしたり、コルセットやネックカラーで頚部を固定するなどします。
その後は、必要に応じて、内服薬や神経ブロック注射の投与、電気療法、理学療法などでリハビリなどを行っていきます。
子供も大人と同様にレントゲン撮影やMRI検査などを行います。
子供は筋肉や靭帯などの組織が柔らかいため、大人のむちうち後の症状に比べて治りが早いといわれている一方で、完治しているかどうかの判断が難しい傾向にあります。
不安がある場合は検査をお願いしましょう。
4 同乗中の子供がむちうちになった場合の通院に関する注意点
具体的に以下のような注意点を意識して徹底することが大切です。
① 症状が出ていなくてもすぐに受診する
子供が交通事故に遭ったとき、症状がない、子供がどこも痛くないと言っている場合でも、事故後すぐに病院を受診し、診察や検査を受けるようにしましょう。
そもそも、むちうちは症状が出にくく、事故当日は異常がなかったとしても、後から痛みやしびれなどの症状が現れる場合が多いからです。
通院をしないで事故から2週間以上経ってしまうと、医師よりむちうちと診断されたとしても、保険会社より事故とケガの因果関係を疑われる場合があるので、注意が必要です。
② 子供のむちうちでも整形外科を受診する
子供が交通事故に遭い、むちうちになった疑いがある場合、初診はできる限り整形外科を受診しましょう。
医師によって作成される診断書や後遺障害診断書が重要となります。しかし、これらは整骨院や接骨院では作成することができません。
③ 週2以上通院する
週2~3回の通院をしましょう。
それ以下の場合、通院しなくても大丈夫な怪我と相手保険会社に逆手に取られてしまう可能性があります。
5 交通事故による子供のむちうちで請求できる損害賠償
子供がむちうちになった場合に、加害者に対して請求可能な損害賠償金は、以下のとおりとなります。
① 治療費 診察料、投薬料、検査料、入院費、手術費など
② 通院交通費 通院するときにかかった交通費
③ 通院付添費
・親が子供の通院に付き添った場合の日当
・幼児や児童の場合には認められやすい
・自賠責基準では日額2100円、弁護士基準では日額3300円が目安
・付添人の交通費も別途請求可能
④ 慰謝料
・傷害慰謝料(入通院慰謝料)
交通事故でケガを負ったこと等により生じた精神的苦痛に対する慰謝料
・後遺障害慰謝料
交通事故の後遺障害による精神的苦痛に対する慰謝料
・死亡慰謝料
交通事故によって被害者が死亡した場合の被害者自身や遺族の精神的苦痛に対する慰謝料
同乗中の子供のむちうちに対する慰謝料請求について
子供がむちうちになってしまった場合に受け取れる可能性がある慰謝料は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2種類です。
6 慰謝料の種類
慰謝料の基準は3種類あります。
① 自賠責基準 自賠責保険による支払基準で、最低補償の基準。
自賠責基準では、日額4300円に基づき、治療にかかった日数を乗じて、以下の流れで入通院慰謝料を算定します。
計算式は、4300円×治療日数を使用します。
治療日数は、①入院期間+通院期間(治療期間)と、②実際に入通院した日数×2を比較し、小さい方の日数を治療日数とします。
② 任意保険基準 各任意保険会社が独自に設定する基準で非公表となっています。
③ 弁護士基準 交通事故事件の裁判例に基づき作られた支払基準。3つの基準の中で最も高額となります。
弁護士基準では、「損害賠償額算定基準」(赤本)に掲載された、軽症用と重症用の2種類の「算定表」を用いて、入院期間と通院期間が交わる部分が慰謝料の金額となります。
後遺障害が認定されれば、等級に応じた後遺障害慰謝料を請求できるようになります。
むちうちを負った場合に認定される可能性のある後遺障害等級は、12級13号と14級9号になります。 以下の表のとおり、いずれの等級においても、自賠責基準よりも弁護士基準の方が約3倍以上高額になることが確認できます。
12級13号の自賠責基準は 94万円であるのに対して弁護士基準では290万円となります。
14級9号では32万円と110万円となります。
8 逸失利益
交通事故によるケガが後遺障害等級として認定されると、後遺障害慰謝料だけでなく逸失利益の請求が可能となります。
逸失利益とは、後遺障害によって将来にわたって収入が下がることに対する賠償のことをいいます。
むち打ちの場合、逸失利益を請求できる可能性は低くなります。
というのは、むち打ちの場合、14級では5年、12級では10年程度の逸失利益を請求できるのですが、子どもの場合その時に働いていない年齢であることが多いからです。
中高生の等の場合、請求できる場合もあるため、わからない場合は交通事故の専門家である弁護士に相談しましょう。
以上、子どものむちうちについて説明してきました。
とにかく、痛くなくても事故直後に病院に行くことを忘れないようにしましょう。
子どもの事故特有の問題もあるため、何か悩みがあれば、なくても今後に不安があれば是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
交通事故専門家である弁護士として、子どもの交通事故も多数扱ってきた経験とノウハウから適切なアドバイスをさせていただきます。
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