ウーバーイーツなどの配達員の事故での補償・賠償金や対処方法

コロナ以降、どの町でも見かけるウーバーイーツなどの配達員の方ですが、ニュースでも問題になっている通り、配達中に交通事故が起きることも増えています。
しかし、配達員の雇用形態や保険加入状況などの事情により、通常の自転車事故・バイク事故とは異なる点も多いです。
そんなウーバーイーツをはじめとする配達員の事故について説明していきます。

 

配達員をしていて事故に遭ったら

ウーバーイーツの配達員は、ドライバー登録時に自動的に任意保険に入っています。
これにより、配達中もしくは配達完了後15分以内に交通事故にあった場合、以下の補償を受けられます。

  • 医療見舞金
  • 医療費用が50万円を上限に補償される
  • 死亡見舞金・葬式費用
  • 死亡見舞金は1000万円(一時金)
  • 葬式費用は100万円を上限として実費
  • 入院時または入院後稼働不能となった場合の見舞金
  • 60日を上限として1日7500円が補償される
  • 配偶者・被扶養者への見舞金
  • 死亡した配達員の配偶者・18歳未満の被扶養者に対して1人あたり15万円が補償される(最大3人)
  • 後遺障害等級の認定に必要な費用
  • 入院一時金
  • 事故時にヘルメットを着用していた場合は2万円、着用していなかった場合は5000円
  • 手術一時金
  • 入院・宿泊を要する場合は7万5000円、外来手術の場合は3万7500円が補償される

入院をして稼働できない場合や入院後に稼働できなくなった場合であれば、上記にもある通り配達員登録時に加入する保険から見舞金を受け取れます。
しかし、入院せず通院のみで治療をする場合は、いわゆる「休業損害」「休業補償」に当たる補償を受けられません。
労災保険に入っていれば通院のみの治療でも休業補償を受けられます。

ウーバーイーツ配達員が個人的に加入している保険がさればそこから補償を受けられることになります。

ウーバーイーツの配達員はウーバーイーツと業務委託契約を結ぶ個人事業主であり、被雇用者ではありません。よって、もともとは労災には加入できませんでしたが、2021年9月から特別加入ができるようになりました。

保険料は配達員側の全額負担となりますが、労災保険に加入していれば以下のような補償を受けることができます。

  • 療養補償給付:治療費などの補償
  • 休業補償給付:事故による休業で生じる減収への補償
  • 障害補償給付:後遺障害が残った場合の補償 など

交通事故では、加害者側だけでなく被害者側であっても相手から損害賠償請求されることがあります。
自身がウーバーイーツ配達員だった場合、事故相手から請求された損害賠償金を保険から支払ってもらえるかは、事故が配達中に起きたものか否かによって変わってきます。

それぞれについて見ていきましょう。

① 事故が配達中に発生した場合

ウーバーイーツの配達員登録時に加入する保険から事故の相手方に損害賠償金を支払うことができます。
配達中の事故により、他人を死傷させたり、他人の物品を壊してしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償します。
尚、補償額には1億円の上限があります。

ただし、配達中とは、配達リクエストを受けた時点から配達が完了、またはキャンセルするまでの間のことをいうため、それ以外では適用されません。

② 事故が配達中以外の時間に発生した場合

上記の保険は適用されず、事故の相手方から請求された損害賠償金は配達員本人で支払わなければなりません。

ただし、配達員が個人的に加入している保険に対人・対物賠償保険が含まれている場合は、それを利用することもできます。

 

配達員と事故になったら

ウーバーイーツの配達員と事故になった場合は、基本的には直接の加害者である配達員に損害賠償請求をします。

ただし、損害賠償金が支払われる仕組みは、配達員が配達中だったのかそれ以外だったのかによって異なります。

とくに配達員が配達中でなかった場合は、強制加入する保険の対応外となり、損害賠償金の支払いが遅れたり踏み倒されたりするリスクがあるため要注意です。

① 配達員が配達中だった場合

ウーバーイーツの配達中に起きた事故の場合、配達員に請求した損害賠償金は、配達員が配達員登録時に自動的に加入している保険から支払われます。

よって、損害賠償金が高額になっても、原則として一括で期日通りに支払いを受けられます。

② 配達員が配達時間以外だった場合

配達員に請求した損害賠償金は配達員本人または配達員が個人的に加入している保険から支払われます。
配達員が個人的に加入している保険から損害賠償金が支払われる場合は、賠償金が高額であっても一括で期日通りに支払いを受けられるでしょう。

しかし、配達員本人から損害賠償金の支払いを受ける場合は資力がないこともあり、泣き寝入りとならないように注意をしましょう。

 

配達員の交通事故は弁護士に相談を

以上、ウーバーイーツなどの配達員の事故について説明してきました。
世間に周知・利用されてから間もない制度のため、色々と問題が生じています。

交通事故に遭ってお困りの方は是非一度当事務所の初回無料相談をご利用ください。

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島武広島法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
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